
Gordon Russell (ゴードン ラッセル)と聞いてピンとくる方はそう多くはないのではないのでしょうか?
日本での知名度はG-PLANやMcINTOSHには劣りますが、
イギリスのとても伝統のある家具メーカーであり、デザイナーの名前。イギリス王室御用達の家具ブランドとしても選定されています。



ゴードン ラッセル(1892-1980)は、
第一次世界大戦後の1922年に自身の工房を設立。
木工職人による手仕事と機械生産を組み合わせ、より多くの人が「良いデザイン」に触れられる家具を目指します。

19世紀末からイギリスで広がった
「アーツアンドクラフツ運動」。
機械による大量生産に対して、職人の手仕事や素材、
そして「ものを作ること」そのものの価値を取り戻そうとしたその運動に、彼も強い影響を受けていました。
ですが、ラッセルは一つの疑問をもちます。
「手仕事だけに依存すると家具は高価になり、
富裕層にしか届かないのではないか。」
そこでラッセルが考えたのが、手仕事と機械を対立させるのではなく、両者を組み合わせることでした。
機械を単なる大量生産のための道具にするのではなく、
職人の技術を生かすための「道具」として扱う。
その考えを象徴する言葉が
“Teaching the machine manners”
『機械に礼儀を教える』
です。

ゴードンラッセルの代表作でもあるサイドボード、“Helix”
仕上げ材の表面を螺旋状に削り、下地をあえて露出させることにより、
コストを抑えながらも装飾性を持たせることに成功しています。
伝統を捨てるのではなく、
伝統を次の時代へ持っていくために、
何を残し、何を変えるべきなのか。
その答えを探し続けたラッセルの家具は、
やがて英国の伝統とモダニズムをつなぐ存在になっていきます。
後世への影響
ラッセルが残した影響は、戦後のイギリスのデザインにも大きく受け継がれていきます。
なかでも、後にデザイナー・実業家として活躍するテレンス・コンランはラッセルから強い影響を受けた一人であり、
ラッセルを「ライフスタイル全体をデザインした最初期の人物」と評しています。

SB3041



SB3071


これらのサイドボード2点は一見シンプルに見えて、
引き出しや扉など、様々な樹種や木目が使い分けられており、
素材そのもののコントラストがとても美しいデザインパターンとなっています。
「手仕事と機械の融合」を掲げた彼らしく、装飾に頼らず木材本来の表情を生かすデザインアプローチ。
異なるモデルで魅せる木目の表現力を、ぜひ見比べてみてください。
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