sidebord / Gordon Russell
eelの麓(ふもと)です。
皆さんは、日が暮れた後のeelに訪れたことはありますか?
日が落ちてくるのが早い時期になってきたからこそ、ランプの光がどのように照らされるのかが分かりやすく、加えて、昼とは違う家具の雰囲気をお楽しみいただけます。
そんな中で、一度見ていただきたいのが、イギリスのGordon Russell(ゴードン・ラッセル)によって、デザインされたサイドボード。

2mを超える横幅で造られながら、余計な装飾はなく、6枚の扉は木木目が左右対称に流れ、静かなリズムを生み出している、とても美しい造りです。
創業者であるゴードンは、アーツ・アンド・クラフツ運動に感銘を受けたデザイナーの一人であり、当時のクラフトマンシップとデザイン思想を見事に融合させた一品であることが伝わってきます。
写真のサイドボードは取っ手や脚の造りから、1960年代前半~中ごろに製作されたものかと思われますが、まず、注目いただきたいのは、扉周辺の丸みでしょうか。


6枚ある扉の角、すべてが綺麗な曲線で仕上げられており、長方形の角ばった外装に見つつも、柔らかさがある雰囲気を醸し出しています。

また、円柱の脚であることも一つの特徴。
まっすぐ落ちる垂直脚が、床との間に空間を生むことですっきりとした印象を与えてくれます。
ミッドセンチュリー期のサイドボードにおいて、丸脚は多くはないので、他と違った形を探している方にも向いているかもしれません。
2mもあれば、言わずもがなではありますが、バリエーション様々な収納をご使用いただけます。

仕切り付きのカトラリートレイ(緑のフェルト貼り)や棚板が配され、機能面でも実用的。
小物から大きめサイズまで何でも収納できそうです。
※引き出しのフェルトは交換も可能。

また、デザイン面で注目いただきたいのが、扉を開閉する取っ手の部分。
前の写真に戻ってみても一目でわかるのですが、前面には取っ手はついておらず、フラットな状態です。
扉上部に、くぼみをつけることで開閉できる仕組みになっており、北欧デザインの思想が反映されていることがわかります。
戦後のイギリスにおいて、“良質なデザインの民主化”を掲げた社会的運動の一翼を担ったGordon Russell。
流行や豪華さよりも「長く使われること」「使う人の生活を支えること」に重点を置いていることが伝わるデザインは、使ってみてその良さをより実感するかもしれません。
まずは見ていただきたいので、ぜひ、eelへと足をお運びいただいた際には、こちらのサイドボードもご覧になってみてくださいね!







