886年生まれのフランス人デザイナー、Bernard-Albin Gras（ベルナール・アルバン・グラ）が1921年にスケッチしたオフィスや工房用の機能的な照明が、20世紀を代表するデザイン「gras lamp」の誕生となりました。
当時のフランスには移動可能な照明器具がほとんどなく、ベルナール・アルバン・グラは、必要な場所に正確に光を当てることができるランプを求め、多大な時間と労力をかけてこのグラランプを開発したのです。

このランプのデザインは、ル・コルビュジエをはじめとする著名な建築家やデザイナーにインスピレーションを与えました。ル・コルビュジエはベルナール・アルバン・グラの支援者とされ、このランプをプライベートで使用したり、彼の国際的なプロジェクトの多くで使用しました。他にもアイリーン・グレイ、ロバート・マレット＝スティーブンス、マン・レイなど数々の著名なデザイナーのスタジオの照明にグラランプ は採用されています。


フランスの小さな町サンラファエルで製図工と主婦の間に生まれた一人の青年は、前述した通り、労働者のために画期的なランプを発明し、多くのデザイナーに影響を与えました。そして1943年にその命を全うし亡くなりました。